公園に変なおじさんが出た
たまにいく公園。
広くて気持ちがいいので、たまに行く公園がある。
電車に乗って行くので、息子も大好きなのだが、
出た。
変なおじさん。
変なおじさんというと、なんだか、敬意が込められているように感じるな。
怪しいおっさん。
そんな人どこにでもいるが、今回は落ち込んでしまったので書き残す。なんてことないことなんだが。
公園にて
滑り台で遊んでいた息子。
曇り空で雨もぱらつくような日。更に広いので、子ども連れは、近くには私たちしかいなかった。(遠くには2組くらいいたような)
息子は、滑り台に自分の持ち物の子ども用バケツを滑らせて遊んでいた。
主に砂場で使うバケツ。最近毎日のように砂場で砂城をつくっているバケツである。
私はずっと息子を見ていたが、ふと、周りを見渡すと、遠くからこちらを見ているおじさんがいることに気づいた。
私が顔を向けても、動かずじっとこちらを見ている。こちらというか息子を。
あまりじろじろ見ても悪いので、私が視線を外して、しばらくしてからまた見てみると、まだこちらを見ている。動かない。
目が悪くて見られていると思っていなかったのだろうか、
とにかくじっと見ているのだ。
なんか、怪しいな。
どうしよう、帰ろうかな。
と思ったら息子がそのおじさんの近くの方にある健康器具に駆け出して行ってしまった。
これはいかん、とすぐさま追いかけたが、おじさんの近くである。怖い。
そっとおじさんを見ると、今度は顔を伏せて、見られないようにしている。
?
これはよくわからんが良くない雰囲気。
なんとなく息子を誘導してその場を立ち去った。
おじさんから見えない位置まで歩いて、水道で手を洗った。おじさんを警戒し、ふと遠くを見ると、今度はおじさんが私たちの見える位置に移動し、またこちらを見ている。
!!!???
なんなの。目的はなんなの。
恐怖。
帰るしかなかった。
しばらくおじさんから離れた場所で時間をおき、帰路についた。
帰り道に、バケツがないことに気付いた。
駆け出した息子をすぐに追いかけたので、
バケツを滑り台の近くに放ったままにしていた。
忘れていた。
滑り台のところにあるのは確実。
迷ったが、まだ公園を出て少し歩いただけだったので取りに戻ることにした。
おっさんはもういなかった。
...バケツもなかった。
なんで?
目的はなんだ?
謎過ぎて怪しいおっさんだった。
たったそれだけのこと。
なんですが、
思い出深いバケツを失ったことが悲しい。
パパに買ってもらったバケツ。これにする、これも、これも、と主張して買ってもらおうとしていた(かわいい)息子の姿、
最近毎日のように砂場で、一緒にお城を作って、楽しそうにしていた姿を思い、ただただ失ったことが悲しかった。
バケツ、100円。
いや、プライスレス。
ヴェルタールオリジナル。
加えて、よくものをなくすADHD夫を持つ者として、自分が物をなくすこともなんだかとても悲しかった。
というか、このおっさんが絡んだことで、ものをなくしたことが許せぬ。自分で無くしたら、ここまでダメージないのよ。しょうがないと諦めもつく。
夫がよくものをなくすので、自分はなくさないようにしっかり管理しておかねばならないという常々からの思い。
(でもなくしてしまった)
人に物を無くされる不安、恐怖、パニック。
(おっさんがいなければ、バケツは今も息子と共にあったはず)
大切な思い出のつまったバケツ。
このいろいろが混ざって、悲しくて、負担になった。
自分がバケツを手にとってから息子のところに駆け寄る選択肢はなかった。あの状況で息子から目を離してはいけない。
なので、その時できる最善の選択をしたし、後悔しても仕方ないのだが、とにかく、
...おっさん、許さん。Hey yo!
なんだったんだろう。
子どもかわいいなーって見てたのか?目線もそらさずにか?
滑り台にバケツを滑らせるなって睨みをきかせていたのかもしれん。
手を洗っているときに見ていたのは、なんだ?
バケツ忘れてるよってことだったのか?じゃ、持ってきてくれまいか。変質者と思われたかもと思って、近寄れなかったのか?
もしくは、おっさんにも孫がいて、コロナで会えないとか、例えばお孫さんを亡くしてしまって、息子を孫に重ねて、哀愁に浸っていた、なんてことも?
わからないが、私には不快な視線だった。
たまにいるかわいいかわいいと近寄ってくるおばあちゃんたちこそ可愛いと思うが、そんなことばかりも思っていられない。
変なおっさん、注意。
帰ってからおっさんの話とバケツをなくしたことをパパに話すと、また買えばいいとかなんとか言って励ましてくれた。
もっとすごい砂城ができるやつ買えばいいじゃーん、とか言う。
優しい。
いいのよ、100円で。
壊すし。なくすし。いいのよ。
100円が、いいのよ。
すごい砂城ができるバケツを想像し、きっと高そうだと思って、パパはすぐものを買うし、こちらも反射的にすぐ要らないと答えた。
が、すごい砂城とかどんなんやろ、魅力的やな。
後日、なくしたものとまったく同じものをまた買った。
その翌日、パパが持ち手を踏んで破壊した。さすがパパ。期待を裏切らないパパ。
バケツ部分は使えるし、問題は無し。思い出が増えていいわ。