ガンガンガンガン、パパが夜中にやっていたこととは
夜中にまた、目覚めた。
キッチンでパパがなにやら、けたたましい音をたてている。
音がやむかと思いしばらく様子を見る。
幸い息子は起きることなく寝ていた。
ガンガンガン。
また、やりおる。
そっと寝室を抜け、パパの元へゆくと...
アルミ缶のスパイスに、穴を開けて、使いたいご様子だ。
抗議すると、もう終わった、とめんどくさそう。
終わったならば、と思ってまた寝室に戻ろうとしたら、途端に同じ音。
がんがんがんがん。
戻る。
うるさい言うとるねん。
もう、終わった。
足元がよれよれしている。
こんなときは、話しても意味がないので、静かにお願いねと言い残し寝室へ戻った。
穴は空いたようで、以後静かになった。
翌日...
キッチンにはそのスパイスが至るところに散らばっていた。
缶を見ると、逆さまである。
つまり、表にはきちんと3つほどサイズの違う穴があいていて、量の調節までできるようになっている。
その缶の底からそのスパイスを使おうと缶切りで穴を開けようとしていたご様子だった。
何故なのだ。
なぜなのだああ!ジーザス!
意識がはっきりしていればそんな間違いをしようはずもない。翌日起きてきたパパにその穴を見せて聞いても、覚えていないという。
記憶がないようなら、アルコール依存症の自助会のようなものに参加させた方がいい、という彼の家族の話もあったので、本人に言うも、本人は行く気は無さそうである。
最近、手が小刻みに揺れているのをよく見る。
長生きしてほしい。